<センバツ高校野球:天理10-1華陵>◇30日◇3回戦

 近畿勢の平安、智弁和歌山の8強進出を見届けた天理が発奮した。雨が降りしきる中で迎えた第3試合。それでも初戦に12安打した天理打線は、最後まで湿らなかった。2回に1点を先制されたが、その裏にすぐさま同点に追いついた。そこからは快音が止まらない。5番古田昇平一塁手(3年)が5回無死一、三塁で左越え2点適時二塁打含む4安打と爆発。終わってみれば14安打。2試合連続2けた安打の天理が、10-1で華陵に圧勝した。

 188センチの長身サブマリン、井口勇佑投手(3年)も力投した。大会前に右肩痛でエース矢之晃希投手(3年)が離脱。背番号「1」を引き継いだ変則右腕は、初戦の敦賀気比(福井)戦に続く1失点完投。得意のスライダーを外角低めに集め、ぬかるむマウンドで9奪三振と躍動した。18度目出場の常連が、3年ぶりの8強に駒を進めた。【佐藤貴洋】