<センバツ高校野球:花巻東5-2利府>◇1日◇準決勝

 21世紀枠校初の決勝進出を狙った利府(宮城)の快進撃が止まった。遠藤聖拓主将(3年)は「めいっぱい甲子園を楽しめた。自分たちの分まで、絶対に優勝してほしい」と、花巻東に東北勢初優勝の夢を託した。

 3回1死二塁、「1番捕手」の遠藤主将が右翼スタンドに先制2ランを放った。通常より指1本分バットを短く持ち、逆方向に運んだ。連続無失点を続けた花巻東・菊池から今大会初得点を奪った。「こういう大きな舞台で真っ向勝負して打てたのはうれしい」と笑う。遠藤は中学時代から菊池と対戦経験がある。2試合計6打数4安打と得意にしていた。敗れたが最後まで存在感を見せた。

 大会中にブログ事件が発覚するなど、混乱の中で4強に勝ち上がった。小原監督は「甲子園に来て本当にいろいろなことがあった。足元を見直すきっかけになった。一生懸命やる姿を見せるしかなかった。夏、もう1回来たい」と激戦区宮城を勝ち抜くことを誓った。