<高校野球静岡大会:静岡市商1-0焼津水産>◇6日◇1回戦

 静岡市商・宮崎悠斗投手(3年)は、焼津水産打線を3安打に抑え、亡き祖母にささげる完封勝利を飾った。大会3日目は12日、1回戦27試合が行われる。

 天国のおばあちゃんにウイニングボールを届ける-。静岡市商・宮崎が祖母への思いを胸に、焼津水産打線を98球で3安打完封した。1日に長野県松川町に住む祖母菅沼米さん(享年79)が死去。3日に通夜、4日に告別式が長野で行われた。だが、宮崎は家族と離れて静岡に残り、この試合に向け調整を続けていた。「おばあちゃんへの恩返しという気持ちで投げた。『よくやったね、ありがとう』と言ってくれると思う」。しみじみと話した。

 バックを信じ、打たせて取る投球に徹した。奪三振は1。「ファインプレーで助けてくれた。甘いコースに入らないように打たせた」。4回表2死二塁、左前打を浴びた。しかし、大石達也左翼手(3年)が本塁へノーバウンド送球し、二塁走者を刺した。危機を脱すると、ここからは二塁さえ踏ませなかった。

 祖母の危篤を聞き、当初は長野行きも考えた。だが、祖母と同居していた伯父の菅沼信祐さん(46)から「お前は試合に集中しろ。その代わり勝つように」と言われた。頭を五厘に刈り、気持ちを試合に集中させた。試合後、宮崎の心意気に感動し、号泣する斉藤孝之監督(35)からウイニングボールを受け取った。手向けのボールを増やすべく、エースは今後も投げ続ける。【斎藤直樹】