第90回全国高校野球選手権静岡大会が、12日に再開する。最速142キロのエース藤井直樹(3年)を擁す聖隷クリストファーは、13日の2回戦(午後0時30分、浜松)で前年度王者の常葉学園菊川と対戦。6日の1回戦(対大仁)で、手の内を隠しながら5安打完封した右腕を軸に、大物食いに準備万端だ。
聖隷クリストファーの藤井は、スタンドに陣取る常葉菊川ナインを視界にとらえながら1回戦を戦った。使用する球種を直球とスライダーの2種類に絞り、けん制球も「少なめにしました」。球種やクセを見破らせないために自ら“縛り”を掛けながらも、プロ注目の最速142キロ右腕は107球、8奪三振で5安打完封。「80点ぐらい。打たれる気がしませんでした」と振り返った。
圧巻だったのは最終回だ。「本気になったのは9回だけ。狙いました」と、3者連続空振り三振。打たせて取るために投げていた8回までとは一転し、全力投球を見せた。常葉菊川ナインに向けての強烈なデモンストレーションを披露し、2回戦へ向け「弾みになりました」と話した。
昨夏は準々決勝で対戦し、0-4で敗れた。雪辱への気持ちは強い。鈴木洋佑監督(30)は「ここで倒さずしていつ倒すという状況。個々の能力の差があるのは分かっているが、1つ勝って安心したと思う」。2回戦は、第5シードの常葉菊川にとっては初戦。夏の初戦は、どれほど強いチームにとっても難しいもの。藤井は「初戦は緊張する。このタイミングが一番倒しやすいと思う」と自信を見せた。
偶然にも組み合わせ抽選直前、センバツで常葉菊川を破った千葉経大付(千葉)と練習試合を行った。7-9で敗れたが「松本監督にどうやって倒したのかいろいろ聞いた」と鈴木監督はニヤリ。秘策を胸に、王者にぶつかっていく。【斎藤直樹】

