<高校野球静岡大会>◇25日◇浜松球場◇準決勝

 昨夏1回戦の雪辱を期した静岡は、4-5の無情の逆転サヨナラ負けで、またも常葉学園橘に屈した。

 ナインは立ちつくし、スタンドは静まり返った。静岡の2年越しのリベンジの舞台が、完結直前に暗転した。8回から登板したエースの河村謙太(3年)が1点リードの9回に先頭打者に安打を許すと、不穏な空気が漂った。犠打で走者に二進を許すと次打者に死球。されに暴投で二、三塁とした。最後は2点適時打でド派手な逆転サヨナラ負け。「橘の方が、自分より1枚も2枚も上でした」と河村はぼうぜんと振り返った。

 静高史上初の初戦コールド(7回)負けの屈辱を喫した昨夏1回戦(●1-8)の屈辱を胸に、この1年を過ごしてきた。昨秋も県大会初戦敗退と出遅れたが、全員一丸となって春は王者にまで上り詰めた。「去年は一方的に負けたけど、今年は最後までリードできた。悔しいけれど楽しかった」。板倉圭汰主将(3年)は自分に言い聞かせるように話して、前を向いた。