ソフトバンクが2年連続7度目(南海、ダイエー時代含む)の日本一に輝いた。連覇は球団史上初。就任1年目の工藤公康監督(52)の下、圧倒的な強さでリーグVを飾った最強軍団が日本シリーズでも強さを見せつけた。

 歓喜の瞬間は敵地で迎えた。最後の打者雄平が空振り三振に倒れる。工藤監督は駆け出すナインから遅れ、安堵の表情でゆっくりとマウンドへ歩みを進めた。松田、続いて骨折で無念の離脱となった内川と抱き合った。そして胴上げ。神宮の夜空に9度舞った。

 この日も投打はがっりとかみ合った。互いに無得点で迎えた4回1死三塁、4番李大浩が放った打球は高々と左翼席へ。ポール上空を通過した打球に左翼線審は即座に本塁打と判定したが、ヤクルト真中監督のアピールを受け、ビデオ判定に。結果、あらためて本塁打と判定された。

 先制シーンは少々もつれた? がその後はすいすい。5回にヤクルト先発石川をKOし、明石の適時打などで2点を追加。9回には柳田の適時打でダメ押しの5点目を奪った。投げてはシリーズ初先発のスタンリッジが6回無失点の好投。森、バリオス、サファテと無失点リレーでつなぎヤクルト打線を寄せ付けなかった。

 シーズン90勝を挙げ、2位に12ゲーム差をつける圧倒的な強さでシーズンを制し、CSも下克上を狙うロッテに対し3連勝と寄せ付けず。迎えた日本シリーズは、直前に骨折が判明した4番内川を欠いた。それでも本拠地で連勝発進。ヤクルト山田の3連発で第3戦を落としても、第4戦では無安打に封じ波に乗せることなく勝利。強さが揺らぐことはなかった。

 日本シリーズ連覇は1992年に西武が3連覇して以来。異なる監督での連覇は史上初の快挙となった。秋山前監督から最強軍団を引き継いだ工藤ソフトバンクの1年目は最高の形で結実した。