通算1065盗塁の日本記録を持つ「世界の盗塁王」こと福本豊氏(69)が4日、中日の臨時コーチとしてナゴヤ球場での秋季キャンプに合流した。

 フリー打撃中に野手へ盗塁の極意を伝授。さらに全体練習後の個別練習では京田、遠藤、亀沢に指導。実演して見せた。

 福本氏は「シンプル・イズ・ベスト。スタートの姿勢でロスしている。低い姿勢にしたらロスがない。こういう風にしたら足が簡単に出るだろ、と。オーバーに低くして、スムーズにいく高さを探していけばいい。リードの構えは守備の構えと同じ。打撃もみんな一緒」とアドバイスした。

 40歳荒木とは大島、土井打撃コーチを交え野球談議に花が咲いた。来季、兼任コーチを務める荒木に対し、福本氏は「勉強しとけ、と。指導者になるんやから」。約1時間の談議に加え、フリー打撃中の1時間半の走塁講座も見学した通算378盗塁のベテランは「わかりやすくて、シンプル。ここまで極めた人はシンプルなんだと思った。まだまだ自分はひよっこ。赤ちゃんみたいなもの。明日(5日)は紅白戦を一緒に見たい。どんな風に試合を見るのか見てみたい」と声を弾ませた。【宮崎えり子】