視界良好で正捕手争いに参戦や-。オリックスの新人入団会見が17日、大阪市内で開かれた。ドラフト5位の西村凌捕手(21=SUBARU)は近日中に視力矯正のレーシック手術を受けることを明かした。約40万円の初期投資をしてプロでの活躍を誓い、女手ひとつで育ててくれた母親に恩返しする。

 ひな壇に育成4人を含む新人12人がずらりと並ぶ中、西村も強い決意を語った。関西の滋賀出身とあり、昔からのオリックスファンだったという。「このユニホームを着られて身の引き締まる思い。走攻守に高い総合力で勝負したい」。

 そのためにも、プロへの準備を整える。今月23日に都内でレーシック手術を予定。1・5だった視力は高校生の時に下がり、今は左右とも裸眼で0・1。コンタクト着用でプレーも違和感がずっとあった。「近視と乱視があり、鳥目(夜盲症)なのでナイターで見えにくかった」。そこで恐怖感はあったが手術を決意。視力1・5まで回復する予定という。

 物心つく前に両親が離婚。母有希さん(46)は小4で野球を始めた息子のためにネットを購入。自宅の庭でティー打撃のトスをして、上達を手助けしてくれた。西村はプロ契約金の一部をプレゼント。「一人二役で支えてもらった。もっと恩返ししたい」と誓った。

 チームの正捕手争いは福良監督によれば「競争」と横一線の状況。西村は来春キャンプの1軍スタートが有力で、アピールの機会もありそうだ。右肩痛で15年5月から1年以上野球ができず、まずは捕手の感覚を取り戻す作業を優先。クリアになる視界で、1年目からの活躍をターゲットに定めた。【大池和幸】

 ◆西村凌(にしむら・りょう)1996年(平8)2月21日、滋賀・湖南市生まれ。三雲小4年から三雲スポーツ少年団で捕手として軟式野球を始める。中学時代は野洲ボーイズで全国大会出場。青森山田では1年時からベンチ入り。甲子園出場はなし。社会人では主にDHで出場。笑いへの興味が深く、特に吉本新喜劇の小籔千豊座長の大ファン。175センチ、75キロ。遠投110メートル、50メートル5秒8。右投げ右打ち。

 ◆レーシック 視力を矯正する角膜屈折矯正手術の一種。目の表面の角膜にレーザーを照射し、曲率を変えることにより視力を矯正する。一般的に目薬による麻酔で、日帰り手術が可能。手術に要する時間も短い。ゴルフのタイガー・ウッズら、超一流アスリートもこの手術を受けている。