10年ぶり優勝を目指す西武が、開幕4連勝だ。4番の山川穂高内野手(26)が2安打2打点と、主軸の務めを果たした。4回までソフトバンク東浜の前に1人の走者も出せなかったが、5回先頭山川のプロ初三塁打から反撃開始。この回1点を返すと、6回には山川の決勝2ランなどで5点を挙げ、一気にひっくり返した。チーム打率3割はリーグトップで、29得点は12球団NO・1だ。中心が機能するから、打線の勢いが止まらない。

 山川には、球種は分からなかった。6回、目の前で浅村が同点打を放ち、1死二塁で回ってきた第3打席。カウント1-1からソフトバンク東浜の真ん中141キロをフルスイングした。「行ってくれ」。当たりは会心ではなかったが、自分のスイングをしたから飛んだ。バックスクリーン左横への決勝2ラン。本拠地開幕を迎えたメットライフドームが揺れた。

 反撃ののろしも、この男だった。打線は、4回まで東浜に完璧に抑えられていた。山川も2回は三ゴロ。だが「感じは悪くなかった」。5回先頭。「打たせて取る投手。ゾーンを上げよう」と自らに言い聞かせ、スライダーを捉えた。右越えのプロ初となる三塁打が、この日のチームの初安打。中村の中前適時打で生還した。回の攻撃が始まる前、ベンチ前で円陣が組まれた。打撃コーチの指示は「外の厳しいのは追いかけず、甘いところを仕留めよう」。先頭打者のため聞くことはできなかったが、結果、その通りの打撃だった。

 オフから4番を打つと公言し、開幕から座る。意識が変わった。ナイターのこの日も午前10時に起き、正午に球場入り。すぐにグラウンドに降りた。早出練習は午後1時過ぎからだが、先にストレッチを入念に行った。時間ギリギリまで寝ていた2軍時代の姿はなかった。「4番として試合に出る準備は意識してます。試合になれば、集中して打つだけ」。早出から快音連発。準備を重ねた末の値千金弾だった。

 辻監督は「(2ランが)大きかった。三塁打も大きかった」と手放しでたたえた。昨季王者との初戦を取った。山川は「意識せざるを得ない相手。最後まで諦めず点を取ってくる。怖いです」と認めた。終盤に追い上げを食らっただけに、4番の2ランが、どれほど効いたか。頼れる軸になった。【古川真弥】