目は笑っていなかった。開幕戦以来、今季2度目の観戦となったオリックス宮内義彦球団オーナー(82)は「見るに堪えない」とバッサリ切った。「継投、失敗何度目や? 球威落ちとったからね。僕でも7回に代える」。柔和な表情とは裏腹に怒気を含んだ手厳しい言葉。継投策に苦言を呈した総帥は、試合終了を待たず8回攻撃終了と同時にメットライフドームを後にした。

 先発山岡が暗転したのは2-1と1点リードして迎えた7回だ。先頭山川に低め変化球を拾われて左前に落とされ、森に左翼線に二塁打を浴びて無死二、三塁。続く中村の四球で満塁とすると、ここまで2三振の外崎にチェンジアップを左前に運ばれる逆転の2点適時打。直後に三塁鈴木昂の悪送球も出て失点し、1死も取れず降板した。

 確かに継投のタイミングは難しかった。山岡は4回まで打者1人も出さないパーフェクト投球。6回を終えた時点で球数も86球だった。福良監督も「球数的にも余裕はあったし、ボールも死んでなかった」と続投可能と踏んだ。高山投手コーチも「次の投手(中継ぎ)の兼ね合いもある。代えないといけない理由があれば代える」と説明した。

 オーナーが前回観戦した3月30日ソフトバンク戦でも開幕投手の西が0-0の8回に2失点して敗れた。現状では勝ちパターンが確立されておらず整備段階。安定している先発陣に頼らざる得ない部分もある。今季初の4連敗で開幕から2勝7敗。宮内オーナーは最後に「まあ、こんな日もあるでしょう」と明るい言葉で奮起を促したが、重苦しい空気が漂った。【桝井聡】