勝負どころで低めに集める松坂とは対照的。才木浩人投手(19)は高めに浮いた球を痛打された。

直球も変化球も、意図しない高めは効果が半減。浴びた8安打のうち、低めを打たれたのは3回の高橋、福田の2安打だけ。3回1/3を投げ8安打5失点で8敗目を喫し、悔しそうに振り返った。

「あんまり真っすぐの調子も良くなくて、変化球を使っていければと思っていましたが、修正することが出来なかった。修正出来るようにしたい」

小雨が降る19歳には酷な状況もあり、2死から打たれる“悪癖”も顔をのぞかせた。1回2死から大島に左前打。盗塁と失策で三塁まで進まれ、ビシエドにはカウント2-2から「最後の球が抜けてしまった」と高めフォークを三塁線にはじき返された。3回は先頭平田を追い込みながら中安、京田に右越え適時三塁打を浴びるなど3失点。4回も1死から連続長短打を浴びてKO。有利な状況を利用出来なかった。

快投御礼も出来なかった。松坂とは今季3度目の投げ合い。過去2試合はいずれも敗れていた。それでも試合前に松坂から「相手の選手ですが、もっと勝ってもおかしくないと思う」と才能を評価されていた。3度目で初の甲子園。本拠地の声援も背中に受けたが、経験の差を見せつけられた形となってしまった。

チームは序盤に主導権を握られる形が続いている。金本監督は「序盤でポンポンと4、5点取られたら、どうしてもね…。今、先発事情が厳しいところ、頑張ってほしかったんだけどね。(先発陣の初回失点は)ずっとじゃないかな。この3連戦、その前もあったかな」と淡々。今季はここまで41試合で初回に点を奪われ、15勝26敗と当然分が悪い。出だしと勝負どころ。反省を糧に成長していくだけだ。【池本泰尚】