今季限りで現役を引退する巨人西村健太朗投手(33)が3日、東京・大手町の球団事務所で会見を行った。

最も影響を受けた人物に、小谷2軍投手コーチ(73)を挙げた。「元々シュートは投げていなかったが、小谷コーチに教わってから一番自信のある球になった。僕の生きる道を教えてくださったので、感謝してもしきれないです」。幾多の修羅場を戦い抜いた、宝刀を生んでくれた恩人に頭を下げた。

思い出の試合は13年9月22日、リーグ優勝を決めた広島戦。「9回にマシソン、山口(鉄)さんと一人一殺で優勝を決めたことは心に残っている。緊張していましたけど、マウンドに上がるとファンの大歓声に支えられて、最後は三振で締めることができた」と原前監督時代の勝ちパターン「スコット鉄太朗」での1勝をかみしめた。

けがと戦いながら、巨人一筋を15年間貫いた。「高校を卒業してから15年間ジャイアンツにお世話になったので、恩返しがしたい」と第2の人生を見すえる。今すぐにやりたいことを問われると「小学生からずっと野球をやってきたので、少しゆっくりしたい」と実直に答えた。通算470試合登板の鉄腕は、柔らかな表情で会見場を後にした。【桑原幹久】