楽天がホーム最終戦を8-1の快勝で締めた。4番ゼラス・ウィーラー内野手(31)が2発4打点と打線をけん引すれば、エース則本昂大(27)は7回1失点8奪三振で5年連続となる最多奪三振のタイトルを確実にした。来季から監督に昇格する平石洋介監督代行(38)が試合後、シーズン総括のあいさつに立ち、地元ファンの声援に感謝した。

「鬼門」だった地元の声援が、久々に心地よかった。ホームで7点差以上の勝利は7月25日の日本ハム戦(8-1)以来で、開幕以降でも3度目の快勝劇。6月17日ホーム阪神戦で8-0の快勝からスタートした青年指揮官のあいさつも心なしか、トーンが上がっていた。

平石監督代行 毎試合、たくさんの方に足を運んでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。今シーズンの熱いご声援、本当に、本当にありがとうございました。

前日5日に要請を受け、監督昇格を受諾したばかり。来季につなげるためにも、ホーム最終戦で「必勝」の思いは強かった。4回、3番島内が同点弾、続くウィーラーに勝ち越し弾が飛び出すと、ベンチで両手を上げて喜びを隠さなかった。9勝目を挙げた則本も「早い段階で平石監督から『ホーム最終戦は任せたぞ』と言われていたので、何とか勝ちで終わりたいと思っていた」と期待に応えた。辛酸をなめたホームでの苦労が、少しは報われた。

指揮官はあいさつの冒頭で本拠地での不振に触れ、頭を下げていた。

平石監督代行 (開幕から)勝って皆さまと一緒に喜び合いたいという思いでやってまいりましたが、最下位。特に仙台ではなかなか勝てない結果になり、本当に申し訳ございません。

22勝50敗は、05年の創設1年目(21勝46敗)を下回るワースト勝率。楽天生命パーク宮城に限っても21勝49敗の同勝率に沈んだが、この日の勝利でともに勝率2割台の「危険水域」だけは回避した。

13日ロッテ戦で今季を終え、新体制スタートから「代行」の2文字が取れる。30代監督は両リーグ39年ぶりで、80年生まれ「松坂世代」から初の監督誕生。所信表明は全日程終了後になりそうだが、「最後の最後までしっかりとファイティングポーズを取って、戦ってきます」と最後も白星締めを約束した。【中島正好】