阪神鳥谷敬選手を長く取材してきた本紙記者が受けた印象を「取材後記」として記しました。

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今キャンプ、鳥谷の表情は明るい。間違いなく進退を懸けた1年になるのに、重圧との戦いをどこかワクワク楽しんでいるようにも映る。「もしダメだったら、とか不安にならないのか」。率直に聞くと、即座に“ダメ出し”された。

「だって、追い込まれていると思ってやろうが、追い込まれていないと思ってやろうが、やらないといけないことは変わらないでしょ。追い込まれてやっても苦しくなるだけ。毎日楽しく、1時間なり10分なり1分を大事に、結果を受け入れられるだけの毎日を過ごせばいいんだから」

一片の悔いもない準備を続けているからこその、穏やかな表情なのだろう。【佐井陽介】