守護神奪取の秘策はモノマネだった。中日鈴木博志投手(21)が18日、韓国ハンファとの練習試合(北谷)に登板し、1回を2奪三振を含めて無安打無失点、打者3人をピシャリと抑え込んだ。

鈴木博がマウンドで見せた投球前のルーティンが変わった。腰を深く折り曲げ、捕手のサインをのぞく。その姿はメジャー、レッドソックスの守護神キンブレルそのもの。新人の昨年も意識して腰を曲げていたが、深くはなかった。

「クラウチングすることで、目線を見せず、威圧する意味もあります」。17年のドラフト1位で中日入団。選んだ背番号はキンブレルと同じ46。昨季は田島の不振から守護神役も任されたが、4勝6敗4セーブと、守護神に完全定着できなかった。なりきることで、2年目の開花に結びつけようとしている。

キンブレルはメジャー通算333セーブ。昨年、レッドソックスを9回目のワールドシリーズ制覇の一翼を担った守護神だ。「(ルーティンを見て)逆に笑ってもらっても、相手にスキが出ますから」。モノマネで、意表を突くのも鈴木博の作戦の1つだ。

田島、佐藤、ロドリゲスの4人に絞られた守護神争い。この日はカットボールで見逃し三振、そして直球でも空振り三振を奪った。この日までの練習試合2戦はそれぞれ無失点ながら、安打を許したが、完璧な内容でアピールもできた。「鈴木ンブレル」が、竜の守護神レースで1歩前に踏み出した。【伊東大介】