4番が意地の一振りで試合を決めた。阪神大山悠輔内野手(24)が延長10回2死一塁で中堅フェンス直撃の二塁打。プロ初サヨナラ打で歓喜のウオーターシャワーを浴びた。

チームにとっては3月29日の開幕戦以来、今季2度目のサヨナラ勝利。主砲の一打で勝率も5割復帰した虎が、ゴールデンウイークまっただ中に貯金生活へ突入するで~。

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狙いを定めた1球が来た。延長10回2死一塁。初球だ。大山が外角134キロスライダーを強振。弾かれた打球は甲子園を舞った。ドゴン!と中堅フェンスを直撃。一塁ベンチからペットボトルを持ってナインが大山を追いかけた。「打席に入る前に1度、浜中さんと話をして狙い球を決めて打席に入りました。結果的に勝ちにつながった。こういう一打を目指して、打てるようにしっかり練習していきます」。プロ3年目で初のサヨナラ打で、ウオーターシャワーを浴びた。

4番の自覚がある。「その打順(4番)を打たせてもらっている以上、期待だけで終わってしまったら意味がない。結果を出さないといけないとずっと思っています」。虎の4番はオレだ-。主軸を打つベテランに頼ってばかりいられない。「糸井さんや孝介さんに頼りっぱなしでいたら、この先もずっとチームの主軸にはなれない。僕は僕で結果を出すことをしっかりやっています」。この日は糸井が休養の意味もあり、スタメンを外れていた。糸井は延長に入って結局代打登場したが、そういう状況の中で勝利を奪う一打を最後に決めた。

矢野監督は開口一番に「あ~ビックリした」。さらに続けて「ちょうどたまたま見ていなくて。次の代打とか、いろんなことを伝えに。騒いでいたから慌てて行って。本塁打の方がよかったですけど十分な打撃をしてくれました」と劇勝での借金返済に興奮気味だ。

この3連戦は「ゴールデンウイークこどもまつり」企画の一環で、お立ち台のインタビュアーを少年少女が担当。「目標の選手は?」の質問を受けた大山は「鳥谷さんのように、長く試合に出続けられるように、頑張りたいなと思います」。新時代で大山が不動の4番となる。【真柴健】