ソフトバンクが、パワースポットで天も味方に付け、5回降雨コールドで3連勝を飾った。

鹿児島開催はこれで95年から9連勝。アルフレド・デスパイネ外野手(32)、ジュリスベル・グラシアル内野手(33)の本塁打などで競り勝った。2人がアベック弾を打てば今季4戦4勝、昨季から負けなし5連勝だ。

「デスパどん」の豪快な打球が勝利を決定づけた。日本ハムに2点を奪われ、1点差に迫られた4回、先頭打者で打席に入ったデスパイネが、2ストライクからの3球目を強振。打球は強い雨を切り裂くように、弾丸ライナーでバックスクリーン右へ飛び込んだ。11号ソロは鹿児島で2年連続弾。「西郷どん」西郷隆盛のように豊かな体を揺らしてホームを踏み「2年連続で打てて非常にうれしい。雨の中で、9回までやりたかったけど残念だったね」。年に1度の開催に、カッパ姿で声援を送ってくれたファンを思いやった。

初回には同じキューバ出身のグラシアルが強烈な追い風に乗せ「打った瞬間センターフライと思って走ってました」という決勝の先制7号2ラン。ベンチ前で恒例としているボクシングパフォーマンスは行わず「そういう場合ではなかった。勝利につながるいいホームランだった」。さしずめ大久保利通のような強い使命感でチームを導き、クールに話した。

連敗なら首位を奪われていた日本ハムに2日連続の雨の中で連勝。工藤監督は「こういう天気の中だったけど、いい集中力を見せてくれた」と顔をほころばせた。【山本大地】