楽天が後半戦白星発進で3位に浮上した。島内宏明外野手(29)が4回の決勝打を含む3安打3打点。塩見が腰の張りで予定していた先発を回避するアクシデントもあった中、球宴休みを挟んで3試合連続となる3番起用に文句なしの結果で応え、今季22度目の逆転勝ちを演出した。

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島内は2本のタイムリーを、いずれもここまで防御率0点台を誇ってきた左腕から放った。

4回1死三塁の決勝打は田嶋から。独特の角度から投げ込まれる直球を中前にはじき返した。「いいところで1本打てて良かった」。8回1死一、二塁は海田の初球を捉えて右中間を割り、今季初の三塁打を記録した。チーム最多の41試合登板に球宴出場とフル回転が続いていた守護神の松井が、リフレッシュのためこの日は完全オフ。点差を広げる貴重な1打でもあった。

後半戦の“開幕投手”を務めるはずだった塩見が直前で回避。試合後は「菅原が投げるって知らなくて。始まって2、3球投げたところで『あれ、右(投げ)だ』って。塩見さんが右投げに転向したのかなと思った」と島内らしくとぼけたが、実際は「菅原が足にボールを当てながらも頑張っていましたから」。スクランブル先発で奮闘する右腕へのねぎらいをバットで表現した。

対左を苦にせず、オールマイティーな役割を任せられる。5月中旬まで「つなぎの4番」としてチームの好スタートをけん引。この3試合は浅村、ブラッシュという主砲2人の前を担う3番として、打率3割8分5厘をマークする。「打順は気にしない。後ろにいい打者がいるから、つなげば何とかなる。前半戦あまり打てなかったから、また開幕した、くらいの気持ちですね」。思いを新たに、首位ソフトバンクの背中を追う。【亀山泰宏】