黄金の右腕が、当たりくじを引き寄せた! ヤクルト高津臣吾監督(50)が“初仕事”で星稜・奥川恭伸投手(3年)の交渉権を獲得した。

日米通算313セーブを挙げ4度の最優秀救援投手に輝いた右腕をボックスに入れ、1度まぜてから最初に手に触れた封筒を引いた。「ヤクルトの中心選手、エースとしてヤクルトを支えてほしい。さらに日本を支えるスケールの大きな投手になってほしい」。チームの1位抽選の連敗も9で止めた。

「ジャジャーン!」。取材を終えた高津監督は、スーツの左胸ポケットから笑顔で「交渉権確定」のくじを披露した。衣笠球団社長兼オーナーらと少人数で明治神宮を参拝。朝の気分で選んだというグレーのスーツに水色のドット柄のネクタイを合わせ、平常心で縁を引き寄せた。

最初に強い思いを送ったのがヤクルトだった。2日前のスカウト会議で1位指名を決め、即公言。橿渕スカウトグループデスクは「去年のドラフトで小園や藤原、根尾の指名を最初に公言した球団が全部交渉権を獲得した」と実績も気にした上で踏み切った。高津監督も「公言した時から、ヤクルトのユニホームを着て神宮で投げる姿を想像していました」。全員の強い願いが見事に通じた。【保坂恭子】