目指すのは、日本最強のつなぎ役だ。日本ハムで唯一、侍ジャパンに選出されている近藤健介外野手(26)が20日、「みやざきフェニックス・リーグ」のオリックス戦(生目第2)にスタメン出場し、右中間への2ランを含む3打数3安打2打点。万全な仕上がりで、同リーグでの調整を打ち上げた。21日に、プレミア12出場へ向けて宮崎で合宿を張る代表チームに合流する。

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球場中の熱視線を浴びながら、背番号8が日本代表にふさわしい打撃を披露した。若手主体のフェニックス・リーグ。オリックス戦に「3番レフト」で先発出場した日本ハム近藤のバットがさく裂した。まずは0-4の1回1死一塁で、直球を強振し右中間へ2ラン。続く3回の第2打席、4回の第3打席では変化球を逆方向へ左前打と、出場を予定していた3打席すべてで快音を響かせた。「試合勘が戻って来ました。0の状態から70%に状態が上がってきた」と、万全の手応えで同リーグでの調整を終えた。

侍ジャパンの一員として、4年に1度開催される世界大会「プレミア12」出場を控える。調整のため、今月13日から同リーグに参戦。「8月くらいからスイングの軌道が良くなかった。だらん、と長い感じがして…」。試合の前後に時間を見つけてはバットを担ぎ、誰よりも打撃練習に汗を流した。3季連続で打率3割超え、今季はリーグ最高出塁率でも、“打撃の天才”にしてみれば思い悩んだ1年だっただけに、20年東京五輪の前哨戦となるプレミア12へ、調整には余念がない。

宮崎での休日には、後輩の野手全員を食事に誘い出し、打撃のノウハウを惜しみなく伝授した。打撃練習ではトスを上げながら助言を与えるなど、チームへの還元も忘れていない。今日21日から、日の丸を背負った戦いが始まる左の巧打者は「東京五輪に出たいので、自分の持っているものをしっかりアピールしないと。試合を決めてくれる打者はたくさんいるので、僕は最強のつなぎ役を目指したい」と、未来を見据えた。【中島宙恵】

<日本ハム近藤と侍ジャパン>

◆21歳以下で初招集 14年11月の21U(21歳以下)ワールドカップ(台湾)に出場する21U代表メンバーに招集された。4番を務めるなど、チームの準優勝に貢献。

◆初招集 17年11月の「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(東京ドーム)代表メンバー入り。腰部椎間板ヘルニア手術から復帰直後も、開幕から6月まで打率4割キープの打撃を買われた。3試合出場で12打数7安打、打率5割8分3厘。

◆2度目の代表 19年3月のメキシコ戦(京セラドーム大阪)の代表に招集された。2試合連続3番でフル出場も、1安打に終わった。この2戦からヘルメットにフェースガードを着用するように。