投打の主軸が活躍し、侍ジャパンが1次ラウンド2連勝を飾った。1点を先制した3回、なお2死一、三塁から鈴木誠也外野手(25)が左翼へ豪快な3ラン。チームの今大会初本塁打となる4番の1発で試合を決定づけた。投げては、先発の高橋礼投手(24)が6回1安打無失点。浮き上がる直球と沈むシンカーでプエルトリコ打線を翻弄(ほんろう)し、内野ゴロの山を築いた。無傷3連勝での1次ラウンド突破へ、7日は地元の台湾と対戦する。

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世界よ。これが日本の「潜水艦」だ。先発の高橋礼が、プエルトリコを6回73球1安打無失点と完璧に封じた。地面スレスレから高低を使い分け、18個のアウトのうち、14の内野ゴロを築いた。「自分の持ち味を出せられた。ストレートを狙ってきているけど、打球は上がらない日だと思った。高低でしっかり投げ切れたことが一番良かった」と納得のマウンドだった。

6回2死まで完全投球も、そこから四球で初の走者を背負い、次打者には安打。「雰囲気も一瞬で変わる」。後続を外角スライダーで空振り三振で“予行演習”した相手の目を奪った。プエルトリコはプレミア12開幕直前の2日、韓国と強化試合を行い、下手投げの朴鐘勲(パク・チョンフン)と対戦。3回2安打無失点に封じられたが、イメージを頭に描いていたはずだった。が、それを上回る高橋礼の投球だった。

発熱で調整が遅れた岸の代役を全うした。稲葉監督も「140キロ正直出ない真っすぐなんですけど、力強いバッターでも差し込んでいる。ゴロに打ち取っている。緩急、高低使いながら非常に素晴らしい投手だなと改めて思いました」と脱帽するほどだった。グラブの内側に、日の丸の刺しゅうを入れ込んだライジング礼。日本が世界の頂へ浮上するキーマンとなる。

日本建山投手コーチ(先発高橋礼が快投)「まったく相手はタイミングを取れていなかった。期待通りの投球でした。(2連投した山崎の3連投は)なかなか先のこともあるので…。100%(ない)という訳ではないですけどね」