【ホノルル(米ハワイ州)14日(日本時間15日)=山本大地】ソフトバンク工藤公康監督(56)が、千賀滉大投手(26)に「日本のエース」指令を出した。

ハワイ日本一旅行3日目は同行している三女阿偉さん、次男拓也さんとゴルフに出かけるなどリラックス。指揮官は千賀の名を挙げ、さらなる進化を期待した。

千賀は今季13勝を挙げ、4年連続の2桁勝利をマーク。自己最多の180回を投げるなど、柱として3年連続日本一に貢献した。「すべてにおいて変わった。ああいう姿を見せてくれるとね」。練習姿勢や後輩への接し方など、自覚が生まれた面も評価する。さらに「自分から『(マウンドを)降ります』とも言わなくなった」と精神面も強くなった。これまでは飛躍を促す意味も込めて「エースになって欲しい」と話すこともあったが、「今年で認めていいんじゃないかな」とチームのエースに成長したことを認めた。

次は鷹のエースから日本一のエースに羽ばたいて欲しい。「千賀には、200イニングをクリアしてもらいたいんだよね」とさらなる高みを求める。その先に見えてくるのが沢村賞だ。今年は千賀も候補に挙がったが、19年ぶりに該当者がいなかった。近年は中継ぎ抑えなど分業化が進み、完投や投球回の項目クリアが難しくなっている面もある。「該当者なしは寂しい。選考基準もいろいろあるからね」。だからこそ、千賀には周囲を認めさせるより高いレベルの投手になって欲しい。南の島で大きな願いを込めた。