ロッテが19日、楽天と涌井秀章投手(33)の金銭トレードが成立したと発表した。先発投手を補強したい楽天と3年目の種市やルーキー小島など若手が育ちつつあるロッテの思惑が一致した。

涌井は13年オフに国内FA権を行使し、西武からロッテに移籍。15年には6年ぶりに最多勝を獲得するなど、エースとして活躍した。今季は3勝7敗、防御率4・50。ここ3年は本来の調子ではなかった。

球団としても貴重な戦力として涌井を手放したくない思いがある一方で、3年目の種市がチームトップタイの8勝、6年目の二木が7勝、5年目の岩下が5勝。ルーキー小島も終盤は先発ローテーションの一角として回るなど、若手が順調に育ってきた。

来季34歳を迎える涌井は、先発での起用にこだわりを持っている。これまでの貢献度を考慮し、一番輝ける球団で活躍してもらいたい思いが生まれた。当初は選手間のトレードを模索したが、両球団ともにFAの人的補償を抱えており調整が複雑化し、大型の金銭トレードという形に落ち着いたようだ。