阪神のチーム防御率3・46は12球団1位を誇った。だが好成績の陰に隠れ、先発陣にはやや気がかりなデータが横たわっている。チーム全体の先発防御率は3・90。一方の救援防御率2・70はセ最良で、唯一の2点台だった。先発と救援の防御率の差は1・20で、セ・リーグでは断トツで最大だった。2番目に差が大きい中日は0・64点差で、実に2倍近い数字だ。

勝ち頭はオリックスからFA移籍した西の10勝だった。初の規定投球回到達を果たした青柳の9勝がこれに続いた。ところが、先発3番手との間に大きな断層がある。上位2投手の次に来るのは秋山で、わずか4勝。セ・リーグの6球団で、先発勝利数の3位が4勝は最少だ(ヤクルトは2位タイが2投手)。

先発3勝は4人いて、メッセンジャー、岩田、ガルシア、高橋遥だった。このうちメッセンジャーは今季限りで引退。岩田は来年、満37歳となる。ガルシアはシーズン中に救援に回り、高橋遥もシーズンを通して働いたのは今季が初めてだった。

阪神は今ドラフトで、1位から5位までに高校生を指名する大胆策に打って出た。いずれも甲子園に出場したスター選手で将来が楽しみだが、即戦力とは言い難い。先発候補として新外国人のガンケル、スアレスを獲得したが、V奪回には実績ある藤浪、秋山らの復活、高橋遥らの一本立ちも絶対条件だ。現有戦力の底上げが、これほど求められるオフはない。【記録室・高野勲】