阪神ナインの原点、足跡をたどる企画「猛虎のルーツ」の第4回は、今季リリーフとして台頭した守屋功輝投手(26)です。

全国の舞台とは無縁だった倉敷工高時代。そこから社会人ホンダ鈴鹿に進み、プロ野球の世界に飛び込んだ裏には、1人の猛虎戦士との出会いがあった。

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片岡新之介氏は今年12月から広島・呉港高野球部の監督に就任した。プロ野球の広島、JR九州、MSH医療専門学校で指導者として長年渡り歩き、初めての高校野球監督。「72歳でまたこの場を与えていただくことには、ちゃんと向き合ってやろうと。元に戻れるというのは幸せなことだよね」。呉港は「初代ミスタータイガース」である藤村富美男氏の母校。ここにも猛虎の縁があった。

片岡氏は阪神で中村勝広氏や藤田平氏とともにプレーし、掛布雅之氏の若かりし頃を知る。倉敷工では倉敷商だった1学年上の星野仙一氏と対戦した。「あのまんまよ、高校時代から。星野さんのワンマンチームでね」と懐かしそうに振り返る。

一流を知る片岡氏はプロの世界で成功する秘訣(ひけつ)を明かす。「毎年ずっと成績が上がることはないけん。そういう時に思いがあれば途中で絶対ギブアップすることはない。長所を生かして投げていけば、十分にプロの世界では生きていけるから」。守屋に期待を込めてエールを送った。【磯綾乃】

◆片岡新之介(かたおか・しんのすけ)1947年(昭22)11月5日生まれ、広島県出身。倉敷工高-芝浦工大-クラレ岡山を経て69年ドラフト5位で西鉄(現西武)入団。阪神には76年に移籍し、田淵や若菜らの控え捕手として存在感を示す。81年阪急へ移り、86年引退。現役通算716試合、344安打、36本塁打、139打点、打率2割3分9厘。現役時は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。引退後は広島でコーチを務めた。