あのサイクル安打は打者一巡の猛攻があって生まれた。阪神の梅野隆太郎捕手(28)が昨年、記録した試合だ。4月9日のDeNA戦は8回に6点を奪う大逆転劇。梅野は2度も打席に入り、本塁打と二塁打を放った。1イニング2安打が最後に来る、これが本当の「最来る安打」?
2回に三塁打、4回に右前打、6回は三ゴロに終わっていた。それが8回、一気に決めた。記録達成の要因は「8回にあんだ(2安打)よ」と説明しよう。プロ69人目(74度目)で、捕手では門前真佐人(50年=大洋)、田村藤夫(89年=日本ハム)、細川亨(04年=西武)に次ぐ。
ツキも味方した。三塁打は当初、DeNAソトの失策とされた。それが3回の守備終了後に訂正された。二塁打も一塁走者ナバーロの本塁憤死があったから。梅野の右中間を襲う飛球で本塁を狙い、寸前で刺された。「憤死(君子?)危うきに近寄らず」。梅野は三塁に達する前で、二塁打とされた。
梅野に記録達成の意識はなかったようだ。逆転を狙う流れの中で生まれたサイクルだった。勝利に貢献した本塁打と二塁打。「本と二(本当に?)よかったです」。【米谷輝昭】



