ソフトバンク和田毅投手(38)が7日、プロ入り時にバッテリーを組んだ城島健司球団会長付特別アドバイザー(43)に完全復活を誓った。宮崎春季キャンプ第2クール2日目のこの日、和田のブルペン投球を城島アドバイザーが初視察。昨季、2年ぶりに白星をマークした左腕は、先輩からの「開幕ローテーション入り」の期待に応える意気込みを示した。

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和田の投球を受ける捕手の後ろに城島アドバイザーが立ち、熱いまなざしを送っていた。「うれしいですよ。見てもらえるだけでもうれしい」と和田は感激しながらマウンドに立った。コース、高低。ベテラン左腕は1球1球確かめるように、直球ばかりを84球投げた。「今日は全然ダメでした。あのへなちょこボールだったら受けてもらえませんね」。望んでいた城島アドバイザーとの“バッテリー復活”は実現しなかったが「球数をしっかり投げられた。今は投げるスタミナをつけたい」と、先輩の前で力強い姿を見せた。

工藤監督と言葉を交わしながら、投球を見つめた城島アドバイザーは「横バンデン、こっち高橋純平、こっち石川。場所が悪かったですね(笑い)。ただでさえ遅いのが、輪をかけて遅く見えましたね。あまりにかわいそうやったけん」。速球派に囲まれて投げる姿をジョークでいじりながらも「全然変わらなかったですよ、前と」と和田健在を確認した。

さらに続けた。「ピッチャーはスピードじゃないですからね。左ピッチャーですし、1枚加わってくれればローテーションの厚みも増すでしょう。いいときも悪いときも経験しているというのが勝つ、負ける以上にチームに大きな要素を含んでるんじゃないですか。そういう面でも彼には1年でも長く活躍してほしいなと思っています」と開幕ローテーション入り、選手としての長寿を願い、エールを送った。

激励を伝え聞いた和田は、熱い思いで応えた。「一番は自分がしっかり投げられているというのをシーズン通してジョーさんに見せられるのが大事。今見せても関係ないのでね。シーズンを通して見せられるようにしたい」。昨季は2年ぶりの白星を含む4勝を挙げたが、開幕には間に合わず初登板は6月。今年は開幕ローテーションに入り、1年間その座を守る。先輩のエールを受け、完全復活への思いをいっそう強くした。【山本大地】