日本女子プロ野球リーグは京都に集約されることとなった。日本女子プロ野球機構が10日、都内ホテルで今季体制を発表。昨季までと同様、京都フローラ、愛知ディオーネ、埼玉アストライアの3球団でリーグ戦を行うが、試合会場は、わかさスタジアム京都をメインに関西中心で行うとした。彦惣高広代表理事は「今のままでは費用面で困難。現状を踏まえ、そういう判断をしました」と説明した。

同リーグは運営資金面の問題を抱え、昨季限りで71選手のうち36選手が退団。リーグ存続を危ぶむ声が出ていた。3球団全てを京都に集約し、遠征費用を削減する。太田幸司スーパーバイザーは「究極の選択です。続けていかないといけない大前提がある。3チームの移動だけでお金がかかる」と、苦渋の決断であったことをうかがわせた。

3期制だった昨季は、春季は京都、夏季は愛知、秋季は埼玉と、3球団の本拠地を順番に回って行った。今季は前後期制とし、前期45試合、後期33試合を予定している。

活動は京都に集約されるが、「愛知」「埼玉」の球団名は残した。彦惣代表理事は「もう1度、飛躍して、帰ってこられるように。いつ戻るかは、正直、明言はできません。ただ、シーズンで1試合だけでも(愛知、埼玉の)地域に戻れるよう、試合をさせていただけるよう調整しています。今後も地域とのご縁は続けていきたい」と話した。

選手は新人8人を加え、京都、愛知、埼玉で計43人に減らした。育成チームのレイアも存続するが、レイア専属の選手はなくし、3球団の新人選手を中心に構成。アマチュアとの交流戦などを行う。

太田スーパーバイザーは「半分近くが退団し、『戦力は大丈夫?』という思いがあるでしょうけど、去年活躍した選手は残っている。そこに若い選手が、どれだけかみ合っていくか」と期待を口にした。各チームは14、15人。野手は、3球団とも捕手2人、内野手4人、外野手3人の計9人。ギリギリの人数となっている。「各チーム、打てる投手がいますし、野手でも投手もできる子がいる。レベルを落とさず、試合はできると思っている。選手にとって厳しい状況ではあるが、何とか踏ん張ってもらいたい」と話した。交代した選手が、同じ試合に再び出場できるリエントリー制も検討している。

太田スーパーバイザーは「プロ野球は、なくしてはいけない。プロがあるから野球を始めたという人は多い。今は歯を食いしばって続けていくのが、我々の使命。試行錯誤して進んでいきたい」と決意を口にした。