「ハッピーコブちゃん」が幸せの1発を運んだ。楽天ドラフト1位の小深田大翔内野手(24=大阪ガス)が巨人とのオープン戦で「プロ1号」を放った。

1点を追う8回、先頭で打席に立つと巨人古川の内角高め147キロ直球を168センチと小柄な体を目いっぱい使って捉えた。右翼席への同点ソロ。逆転での7連勝を呼び込み「こすりましたが、ギリギリ入ってよかったです」と笑みを浮かべた。

重苦しい空気を吹き飛ばす。新型コロナウイルスの影響でチームは遠征中に外出禁止だが、コンビニやスーパーへの買い出しはOK。ルーキーの息抜きはついつい買ってしまう亀田製菓の「ハッピーターン」。「なぜか買っちゃいます。食べ過ぎないようには気をつけてます」。「ハッピー-」の名前の由来は「幸せがお客様に戻って来るように」。新発売された1976年当時、日本は第1次オイルショックの影響で不景気。世の中を元気づける意味合いが込められたお菓子を口にし、開幕スタメンへのアピールを続ける。

ウイルスによって1年目から変則日程を強いられる。それでも「開幕まで時間がある。経験が多くできるとプラスに捉えたい」とポジティブな「ハッピーコブちゃん」がチーム、世の中を明るくする。【桑原幹久】

◆小深田大翔◆ こぶかた・ひろと。1995年(平7)9月28日、兵庫県生まれ。神戸国際大付から近大に進学。関西学生リーグでベストナイン3度。大阪ガスでは18年都市対抗、19年日本選手権のチーム初優勝に貢献。19年ドラフト1位で楽天入団。契約金1億円、今季年俸1500万円(金額は推定)。168センチ。69キロ。右投げ左打ち