阪神木浪聖也内野手(26)が約3カ月ぶりの1発を放った。2回先頭で迎えた第1打席、中日福谷の内角スライダーを振り抜いた。打球は右翼スタンドギリギリに届く先制本塁打。「やっぱり、甲子園で走るのは気持ちいいです」。7月28日ヤクルト戦(神宮)以来となる3号ソロ。ダイヤモンドを周りながら、久しぶりの熱気を存分に味わった。

9月下旬のチーム内のコロナ禍で、木浪も球団独自の濃厚接触者に指定され一時離脱。10月25日に再昇格してから2戦連続でスタメン出場すると、この日もマルチ安打を記録した。「野球で挽回したいという気持ちをずっと持っていたので、こうやって1軍に戻ってきて、結果を残すということしか考えてなかったです」。時間を取り戻すように、懸命のプレーを続けている。

1軍を離れていた間に遊撃を守っていたのは、同期入団の高卒2年目小幡だった。「やっぱり刺激になりましたし、絶対負けないという気持ちが生まれました」。躍動する仲間の姿に芽生えた闘争心。2回には中日高橋の左翼方向への強烈なライナーに、左手を伸ばしてジャンピングキャッチ。その後の守備機会もそつなくこなした。矢野監督は「ずっと競争はあるんでね。(小幡)竜平が出てきたってところで、(木浪)聖也も安心できない形ができてるし。聖也の意地っていうか、そういうのが出たんかな」と歓迎。26日のドラフトでは二遊間を守れる三菱自動車岡崎・中野拓夢内野手(24)を6位で指名。激しい遊撃争いが続くが、木浪が「大本命」をアピールした。【磯綾乃】