「我慢」の年から「開花」の年へ! 阪神梅野隆太郎捕手(29)が日刊スポーツの新春インタビューに応じ、30歳を迎える来季の抱負を語った。背番号2で迎える節目の年。後編ではバッテリーを組む藤浪への思い、福留、能見、藤川らベテランの退団による世代交代の流れなどを語り尽くした。【取材・構成=磯綾乃】

  ◇   ◇   ◇

-昨年10月1日のお立ち台で、ファンへ藤浪の後押しをお願いした(※2)

梅野 晋太郎が出る時は、やっぱり期待があるからこそあれだけ声援がもらえる。やったことないポジションで、勝ちパターンでマウンドに上がる、1試合トータルで受けてる自分からしたら、一生懸命な姿に感じるものがありました。(ボールを)受けてでしか分からないものがあると思って、声援はすごく晋太郎にとっても力になってると思うし、だからこそ、あそこでファンの皆さんに伝えたいなって。

-今季もサポート

梅野 晋太郎自身には2020年、この経験があったからこそ、新たなスタート出来ましたって言ってもらえるように、それぐらいの思いで自分も言いました。また新たなスタートとして、お互い、いいものを築いていくためにいろんな話をして、いろんな球を受けて、いろんなリードをして。1勝、2勝、3勝って積み重ねていけるように、女房役としてサポートしていきたいというのが強いです。

-ずっと自主トレを行ってきた能見が退団

梅野 言葉に出さない、自分で分かっていかないといけない厳しさも、一番感じさせてもらったのが能見さん。自分で感じ取るのは一番難しくて、悩んだ時期はあったけど、(2年前から)自主トレの時に、「やっぱりお前が引っ張っていかないといけない」「お前が日本一に導いていかないといけない」と言ってもらった。年数をやるにつれて、少しずつ認められていった、やっぱりそういうのは積み重ねだと思う。だからこそ最後にそう言われた時には、うれしかったし、退団するとなると感情的になるし、いろんな思いがありました。

-ベテランが退団し、役割の変化を感じる

梅野 上本さん、福留さん、球児さん、能見さん、上の人からいろんな話をしてもらえた。「チームの顔としてやっていかないといかんぞ」とか、いろんなことを言ってもらいました。自分が分からないことも聞いて、それが自分の引き出しになってきた。7年たって、まだ1回もリーグ優勝、日本一を味わってないってことは、もっともっと足りないものがあるから。自分たち、30の年になるけど、上が引っ張って下を底上げして、バランスのいいチームに。プレーでカバーし合える、そして言葉の掛け合いでカバーし合える、チーム作りっていうのはすごく大事かなと思っています。

 

(※2) 10月1日中日戦の後、先発岩田とともに甲子園のお立ち台に上がった梅野は「これからもどんどんそういう声援で応援してもらって、そしたら晋太郎のピッチングも自信に変わっていくんじゃないかなと思う」と藤浪に言及。この試合では、8回に登板し、自己最速160キロを計測。打者3人から2奪三振でホールドを記録した。