巨人井納翔一投手(35)が敗戦の中にも手応えを得た。6回3分の2を8安打6失点で3敗目を喫したが、ぶっつけ本番で投じたシュートに好感触を示した。

前日21日に阿部2軍監督から助言を受け、さっそく試合で投げた。「課題としていたシュートを序盤は有効に使えたと思います」と臆することなく右打者の懐をえぐった。4回1死、4番和田に対しては3球続けて内角にシュートを投げ込み追い込んだ。最後は真ん中から外角に逃げるスライダーで空振り三振。左打者へはベルト付近へのカットボールを多投した。左右ともに内角を意識させることで、踏み込ませなかった。

課題を明確にして臨んだがゆえに、狙いを定められた面もあった。4回先頭の岩見には内角のシュートを左前打され出塁を許した。失策も絡み1死満塁とされると、黒川には内角カットボールを右翼への3点適時二塁打とされた。「今後はそれだけにならないようにいろいろな配球をして偏らないようにしていきたいです」と、次回は組み立てを意識する。

中継ぎとして昇格した4日以降、4試合で3本塁打を浴び、20日から2軍再調整となった。今季イースタン・リーグでは全て先発で5試合に登板し、2勝3敗、防御率4・28。プロ9年目で新たに身につけたシュートという引き出しとともに、FA右腕が先発として再出発した。【久永壮真】

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