91年以来30年ぶり出場の北海学園大(札幌学生)は、福井工大(北陸)に敗れ、79年以来42年ぶりの全国1勝を逃した。

7回コールド負けも、大泉洋(48)、安田顕(47)ら「TEAM NACS」の母校が、久しぶりの全国舞台で爪痕は残した。初回1死二、三塁、志村瞭左翼手(2年=北海)の右前適時打で先制。さらに太田歩三塁手(2年=札幌日大)の中犠飛で2点を先行した。30年前に出場した当時、2年生エースだった島崎圭介監督(49)は「(コロナ禍で)練習も練習試合も思うようにできない中、選手は精いっぱいやってくれた。うち本来の攻撃はできた」と振り返った。

先制打の志村は「打ったのは真ん中よりの真っすぐ。初球から積極的にいけたのが良かった」。高1の夏、チームが甲子園出場も、自身はスタンド応援。中3時、札幌南シニアで経験したリトルシニア全国選抜以来5年ぶりの全国舞台に「まだまだ力が足りないと感じた。スイングの強さ、体の大きさも違う。秋に向け、もっと力をつけたいと感じた」と振り返った。

50メートル5秒8の鈴木大和主将(4年=北海)は5回先頭で中前打を放ち、二盗に成功。3点目のホームを踏んだ。自慢の俊足をアピールも「東京ドームで2回勝って神宮に行くのが目標だったので悔しい。ヒットを打てた打席は良かったが、他はふがいない成績。悔しさが残る。秋も続けるので、もっと打撃面を改善したい」と課題を挙げた。

攻撃では思い切りの良さが光ったが、投手陣の乱れが大量失点につながった。今春の札幌6大学リーグで防御率1・98と安定し優勝に貢献した先発の畑賢士郎(4年=北見柏陽)が、2回に満塁弾を浴びるなど1回2/3 5安打8失点降板。島崎監督は「畑のこんな投球は初めて見た。これが全国の怖さ。相手の振りが鋭く、思うような投球をさせてもらえなかったのかもしれない」と話した。

70年代から80年代のユニホームをモチーフに、キャップの「H」マークをシルバーから金に、ソックスに2本のラインを加えた“復刻ユニホーム”を着用し臨んだが、勝利には届かなかった。30年ぶりの全国での敗戦を、成長の糧にする。【永野高輔】