頭1つ抜け出した。阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(31)が、激走&豪快弾の大暴れだ。まずは2回2死。右打席で3試合連続安打となる左前打で出塁すると、直後の木浪の左中間への打球で一塁から一気にホームを狙った。DeNA遊撃森のストライク送球と同時にヘッドスライディングで生還。直後にヘルメットが吹っ飛ぶほどハッスルし、間一髪で先制点をもぎ取った。

「チームになんとか流れを、ゲームの早い段階で持ってきたいと思っていたんで。攻撃だけじゃなくて守備でも走塁でもなんとか全力でチームの貢献したいという気持ちがあった」

助っ人の気迫は打線に乗り移る。7回までに7得点。8回には、今度は左打席で右翼席への4号ソロを放った。「ホームランはいつ打っても気持ちいい。良い感触で打つことができました」と納得顔だ。始まりもロハス、締めもロハスのダメ押し弾。近本から授与された「虎メダル」に、ベンチでは満面の笑みだ。これで後半戦は全10試合に先発し、打率3割3分3厘で3本塁打。打率1割未満に終わった前半とは“別人”の活躍ぶりだ。

サンズも適時打を放ち、中継ぎのアルカンタラも1回無失点。2軍ではマルテが本塁打を放つなど好調を維持している。守護神スアレスは不動で、26日にはガンケルが先発予定。登録枠5、出場枠4の外国人枠争いが、ますます混沌(こんとん)としてきた。矢野監督にとってはうれしい悩みだが、決断の時が迫るのも事実。ノリノリの両打ち助っ人は残り49試合、打ち続けるだけだ。【中野椋】