ロッテ藤原恭大外野手(21)の5号同点2ランは、山口航輝外野手(21)にとって、個人的に“追いつかれた”1発だった。

「恭大と本塁打の数はいつも話してるんです。追いつかれて、1本出たのは良かったと思います」

そう話し、無邪気な笑顔を見せた。藤原の同点弾の7分半後、バックスクリーン左へ6号勝ち越し2ランをかっ飛ばした。初のアーチ共演だ。

同い年、同期入団。ライバルというより、目標として意識しているという。

「レベルというか、初めて恭大を見た時に全てにおいてすごい選手で。何もかも追いつかないというか、(自分に)力がないというのは恭大を見て実感して、そこから恭大に負けないようにと思って、1年目から練習しています」

明桜(秋田)出身だが、中学までは藤原と同じ大阪で育った。大阪府内の別のボーイズリーグのチームに藤原はいた。藤原は有名だった。

「対戦はなかったです。存在は知ってました。中学校からすごいっす。すごいのひと言っす。プレーは生では見たことないですけど、ジャパンの選考会か何かで一緒になったのは覚えてます。恭大は受かって、自分は落ちましたけど」

山口も高校時代は投手も務めていたが、ロッテ入団後に打者としての大成を目指した。今季は一塁を守ることも多いが、登録は藤原と同じ外野手だ。

プロ3年目で開幕スタメンにともに名を連ねた。開幕戦で初安打を打ち、やがて初本塁打も放ったが、全てはうまくいかず、藤原と同様に2軍再調整も経験した。同じように下半身主導の打撃を作り直し、後半戦に挑む。

「恭大がいるから自分も負けてられないなっていう思いになりますし、恭大も打つと自分も打ちたいってなるので。これから先、一緒にチームの代表として戦えるように」

夢を描き合った入団会見から995日が過ぎた。遠かった背中もだいぶ近づいてきた。離されぬよう、フルスイングで食らいつく。【金子真仁】