ロッテ小島和哉投手(25)が“ウラガク対決”に勝利し、自己最多を更新する9勝目を挙げた。

浦和学院(埼玉)では4学年下にあたる西武渡辺勇太朗投手(21)と、初めての投げ合い。「意識はしていないですけど、何とかチームが勝てたのでそれが良かったかなと思います」とホッとした表情を見せた。

自身では完投、完封と2試合続けた上での、この日のマウンドだった。

「1試合投げ切れた自分に自信が持てたところもありますし、2試合連続で(完投で)投げられたところも自信が持てました。でも、そんなにうまくいく世界ではないことは一番分かっているので」

覚悟通りに、2-2で同点の3回、試練があった。守備の乱れから1死満塁。打席には、満塁で無類の強さを見せる西武4番中村。チェンジアップで三振にしたが、続く外崎、栗山と連続で押し出しを許す結果に。「攻めた四球だったと思うので」としながらも、痛い2点が入った。

なおも2死満塁で、これまた怖い7番山川。2回には2ランも浴びている。「1人でも1個でも多く、アウトを取ろうと思って、それだけの気持ちで投げました」。山川もチェンジアップで三振にし、それ以上の失点を防いだ。チームはその後、逆転勝利した。

浦和学院時代は2年春に甲子園優勝投手になり、2年夏の埼玉大会では完全試合も達成した。8回までノーヒットノーランの登板もあった。一方で、2年夏の甲子園では初回に6失点するもろさもあった。

プロ3年目。日々の工夫と反省を重ねながら、先発左腕として一本立ちし、次は10勝目がかかるマウンドだ。「自分に勝ちをつけようと思って投げるとあまり良くない傾向にあるので。気持ちは変わらず、1イニングでも長く投げて中継ぎ陣を休ませられるように頑張りたいです」と話す。

ずるずる崩れない-。頼もしくなった教え子を、恩師の浦和学院・森士前監督(57)は三塁側スタンドからゆっくりと見つめた。【金子真仁】