中嶋オリックスが執念の2ランスクイズでシーズン最終戦を締めくくった。

2-0で迎えた9回。先頭・ラベロ、杉本の連打からつくった1死二、三塁の絶好機。佐野皓、後藤と俊足の代走2人が、虎視眈々(たんたん)とホームを狙っていた。「スクイズというのは(サインを)出す方も緊張する」と指揮官が振り返る。安達が三塁前へのスクイズを敢行。打球を処理した三塁手が一塁に送球したときには、二塁走者の後藤はもう三塁を回っていた。ホームを守る田中貴への送球がそれる間に、4点目のホームを陥れた。

143試合目の勝負手だった。打者の安達、2人の代走、三塁コーチの風岡内野守備走塁コーチがガッツポーズをつくった。ベンチでは中嶋監督は水本ヘッドと大きくうなずき合った。「キャンプの時からいろいろやってきたわけですけど、こういう大事な場面でしっかりそういうのを決められるというのは非常にいいことですし、チームの中でやろうとしたことができるようになってきたのかなと思いますけどね」。まさに、今季の集大成だった。

吉田正の負傷離脱、外国人選手の好不調などでベストオーダーがなかなか組めない中、しぶとく粘り強く得点をもぎ取り、勝利を重ねた。会心のタクトで、ロッテから首位を奪い返した。【堀まどか】

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