東邦ガス(名古屋市)がタイブレークをサヨナラで制して、初めてベスト8に進出した。

先発の辻本宙夢投手(25)が好投を見せた。初回こそ先制適時打を浴びたが、2回以降は0行進。4回以降は安打も許さず二塁を踏ませず、9回を3安打1失点で10三振を奪う力投をみせた。右腕は「初回は失点して苦しいピッチングになるかなと思ったので、何とか粘って丁寧にいこうと思いました。インコースが投げきれたのが大きかった。今日はバッテリーでしっかり共有できたかなと思う」と振り返った。

打線は8回2死一、二塁から比嘉龍寿(りゅうと)内野手(24)の左前適時打で同点に追い付いた。

タイブレークに入った10回はホンダ鈴鹿からの補強選手で、広島ドラフト5位の松本竜也投手(22)が登板。1死満塁から打者2人に対してオール直球で、連続三振に仕留めてガッツポーズをつくった。その裏の1死満塁から若林俊充内野手(28)がサヨナラの押し出し四球を選んだ。若林は「辻本が粘りのピッチングをしてくれていたので、何とか辻本のためにと野手が1つになって戦うことができました」と喜んだ。

今年の日本選手権でベスト8で、都市対抗では初めて。山田勝司監督(43)は「ここで2勝するために苦しい練習やいろんな思いを持ってやってこれたので、それがまず今日達成できてうれしい」と喜んだ。次戦に向けては「上を狙えるチーム力があると思うし、東海地区もうちしかいなくなってしまったので、東海地区を代表してしっかりと上の方まで勝ち上がっていきたい」と意気込んだ。【林亮佑】