今季限りで現役引退した元日本ハムの斎藤佑樹氏(33)が古巣の2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷で“殿堂入り”を検討されていることが19日、分かった。

球場外壁に掲出されている球団OBを紹介する大型バナーの中に新たに加わる可能性が浮上。どんな時も野球と真摯(しんし)に向き合い続けた佑ちゃんが、若手育成の重点拠点である鎌ケ谷の“顔”になるかもしれない。

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来季以降も鎌ケ谷で「斎藤佑樹」の“雄姿”が見られるかもしれない。球団関係者は、名だたる歴代の球団OBがデザインされた大型バナーが掲出されている球場外壁に「斎藤選手を追加できないか、検討したい」と明かした。2軍の鎌ケ谷から巣立った主力選手をPRする目的で14年春から若手時代の写真を掲げているが、今季限りで現役引退した斎藤氏が新たに加わる可能性が浮上した。

大型バナー化の候補に斎藤氏が浮上した理由は、育成拠点において若手の手本となる姿勢だった。「鎌ケ谷でも誠実に野球と向き合う姿を最後まで見せてくれた選手なので」(球団関係者)。今季も右肘靱帯(じんたい)断裂から1軍復帰を目指し、過去の栄光にとらわれることなく、必死に泥くさく野球に打ち込んだ。そんな姿は後輩たちを刺激したと同時に、球団関係者の心にも響いていた。

現在の球場外壁にはダルビッシュや大谷らが居並ぶ。鎌ケ谷限定ユニホームでのプレー写真を使用するなど、球場を訪れるファンにもスター選手の原点を懐かしんでもらえる、今や球場名物にもなっている。数多くの故障に苦しんでも、決して下を向くことがなかった斎藤氏だからこそ、歴代の名選手らが選出されている中でも新たな追加候補として検討に値すると判断されたもようだ。

鎌ケ谷では斎藤氏とファンをつなぐ思い出も深い。同球場で現役ラスト登板となった10月3日に「ここ鎌ケ谷で過ごすことが多くなりましたが、最後まで応援していただいたファンの皆様、ありがとうございます。皆さんとの思い出は僕の一生の宝物です」と、あいさつした。新人時代の佑ちゃんフィーバーから始まった濃密な日々は双方の心に残る。斎藤氏が鎌ケ谷で“殿堂入り”となれば、また新たな目玉スポットとなりそうだ。