現役最年長で来季プロ24年目の中日福留孝介外野手(44)が、レギュラー取りを宣言した。「もちろんレギュラーを取るつもりでやる」。NPBで過去、45歳シーズンに定位置取りの証しとなる規定打席に到達した選手はいない。前人未到の領域にチャレンジする。

一方で立浪新監督は、福留を代打の切り札として起用する考えを明かしている。だが福留は言った。「監督に言われる場所でやるけど、最初からそれ1本の気持ちでは自分自身が衰えていく。監督にも、この年でもレギュラーで使いたいな、と思ってもらえるぐらいの準備をしていきたい」。PL学園の8学年先輩でもある新指揮官のプランに堂々と“反旗”を翻し、上方修正させる意気込みだ。

昨オフ、阪神を戦力外となって退団。14年ぶりに古巣中日のユニホームに袖を通した。出場91試合で4本塁打、18打点、打率2割1分8厘。43試合にスタメン出場し、5本の決勝打を放つなど健在を見せつけた。「去年は不安の中で新チームが決まった。来年もやらせてもらえると契約してもらえた。そういう部分では違う」。今季出した結果プラス、精神面の充実が定位置取りへの自信と根拠だ。

来季の左翼はドラフト1位の上武大・ブライト健太外野手(22)ら新人大卒野手の3人や根尾、岡林、外野転向案もある阿部らと競う激戦区になる。単年契約で来季推定年俸は300万円アップの3300万円。おじさんスラッガーの照準は3月25日巨人戦(東京ドーム)の開幕スタメンだ。G倒で立浪新監督に初陣勝利を届けるべく、バットを研ぎ澄ます。【伊東大介】

▼中日福留は来季45歳を迎える。45歳シーズンで1軍出場した野手は過去6人おり、最多出場は98年落合博満(日本ハム)の59試合(192打席)。44歳シーズンの97年に落合が規定打席に到達しているが、45歳以上で到達した選手はおらず、福留がクリアすれば史上初になる。また、セ・リーグ野手の最年長出場は13年の山崎武司(中日)の44歳10カ月で、来年3月25日の開幕巨人戦に出場すると、同じ44歳10カ月だが日数で福留が上回る。日本通算2000安打もあと49安打で、達成すれば15年の和田一浩(中日)の42歳11カ月を大幅に更新する最年長記録となる。