「♪好きです 好きです 心から~」。12日、ヤクルトの沖縄・浦添キャンプのグラウンドに、長渕剛の「巡恋歌」が響いた。気持ちよさそうに、こぶしをきかせた歌声。ウオーミングアップ中の選手たちも、最初は誰の声か分からなくて、回りをきょろきょろ。「誰なのか手を挙げて!」という呼びかけに、恥ずかしそうに反応したのは塩見泰隆外野手(28)だった。
驚きの声と笑い声が一緒に上がった。日々、きついメニューに暗くなるまで取り組む選手たち。1日の動きだしとなるウオーミングアップから明るく取り組むことは、気持ちを前向きにしてくれる。間奏では「キャンプはつらいな~しんどいな~。連覇を目指して、みんなでいくぞ! せいっ!」とものまねも交え、爆笑を誘った。
今年のキャンプで恒例となりつつある選手が歌うBGMは、この日で4曲目だった。最初の6日は、青木が徳永英明の「レイニーブルー」で爆笑を誘い、7日は大下がサザンオールスターズ「いとしのエリー」を歌い上げ、11日は大西が爆風スランプ「Runner」を熱唱。幅広い年齢層に伝わる、名曲の数々だ。
曲の最後には「ありがとうございました。明日はみなさんお待ちかね、嶋さんです! 嶋さんお願いします!」とまさかの指名。事前の打ち合わせなしのムチャぶりだった。塩見は、自身がカラオケでも歌う曲を選び「長渕剛さん(の歌い方)に寄せました」と手応えアリだったのに、「思ったよりウケなかった…」とちょっとしょんぼり。1曲に懸けていた男の思いが、チームを盛り上げた。【保坂恭子】



