役者が違った。阪神糸原健斗内野手(29)が今季の実戦初出場でいきなり、アーチをかけた。スマイル全開でベース1周。ガッツポーズも自然に出た。
「自分でもびっくり。めちゃくちゃうれしかったです。野球ができない日々が続いたので、できる喜びを感じて楽しんでいこうと思っていました」
白組の「2番二塁」で出場。四球、敵失で迎えた5回の第3打席。小川の145キロを強くたたき、右翼席にぶち込んだ。守備では二塁、三塁をこなした。
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第1クールの3日に新型コロナウイルス検査で陽性に。出はなをくじかれたが、すぐに思い直した。「なってしまったことはしょうがない。1日1日を無駄にせず、今できることをとにかくやろう、と。コロナ期間中で見つめ直せる部分がたくさんあった。あの期間があってよかったと思えるようにしたい」
自分の過去の打撃フォームを何種類も見返し、他の打者の打撃映像にも見入った。キャンプ中の“テレワーク”は「いい時間だった」。12日に再合流後は休日も返上してハードワークの連続。この日の試合後もメイン球場で25分間打ちっぱなしの特打をこなした。
不在中、熊谷を筆頭に二塁のレギュラーをうかがう若手が猛練習を積んだ。「突き上げに不安はあった」と正直に話す。だが矢野監督は「(本塁打に)びっくりもしないけど、安心というか。今年は最低でも3割打ってもらわないと困る。どの打順でも健斗は行ける。勝負強さもあるし、つなぎもできる。健斗が元気なのは大事な要素」と別格の信頼感を口にした。
「存在感を出せたと思うので、それが一番」と糸原。本塁打だけでなく2四球も選び、内容は濃かった。その座を狙う若手を、ガツンと蹴散らした。【柏原誠】



