南国・土佐で若き剛腕がうなった。ロッテ佐々木朗希投手(20)が西武との練習試合(高知・春野)に先発。3回を7奪三振でパーフェクトに抑えた。

最速は158キロを記録。全42球のうち、直球は24球を投げ、全て150キロ以上。平均球速は156・2キロと力で押した。同時に、初球カーブも試し、投球の幅に広がりを見せた。3年目で開幕投手の有力候補に挙がる。新世代の夜明けぜよ!

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佐々木朗が3つめの三振を奪うと、マスク越しでも、どよめきが起きた。初回、西武外崎、森をフォークで空振り三振。3番呉は一転、直球中心に追い込むと、高めへ投じたこの日最速158キロで振らせた。そのまま3回パーフェクト、7奪三振。2年ぶりに来た高知で鮮烈な印象を残したが、試合後は淡々と言った。「全体的に、ある程度、良かったのかな。しっかり、いろいろと試せました」。

力の一方で、新たな引き出しを開けた。前回まではなかった“初球カーブ”を3回、試した。「(カーブで)ストライクが決まらなくても、次の真っすぐが生きました。これからも、どんどん投げていきたい」と好感触。もっとも手応えがあったのは、2回2死からだ。鈴木への初球125キロは高めに外れるも、続く高め156キロで空を切らせた。最後はフォークで空振り三振。リードした松川は「打者は『佐々木投手は真っすぐ』と入ってくると思う。そこで緩急を使いながら、目線を変える」。ドラ1バッテリーの意図だった。

球速が出やすいとされる春野。ところが、ガンの不具合か、球場表示はほとんど出なかった(テレビ中継で最速158キロ)。ただ、佐々木朗本人は「投球に影響することはないと思います」。球速よりも、精度を追い求めている。その中で試した、カーブ→直球のコンビネーションだった。次は3月4日からのソフトバンク3連戦で4イニングの予定。「引き続き、やるべきことをやって、一番はケガをしないように」。桂浜の龍馬像のように、いちずに真っすぐ、開幕までの道のりを見ている。【古川真弥】

▽ロッテ井口監督(佐々木朗の初球カーブに)「相手が真っすぐを狙っている中、どうやって自分のカウントを整えていくか。球数を減らすには必要なこと」

▽ロッテ木村投手コーチ(佐々木朗に)「普段より軟らかめのマウンドだったが、修正能力が高い。次第に自分の投球ができた」