阪神が79年ヤクルトに並ぶセ・リーグワーストの開幕8連敗を喫した。9回に1点差に迫り、なお1死二、三塁で佐藤輝明内野手(23)。絶好機をつくったが、遊直で三塁走者近本が飛び出し併殺で試合終了となった。3戦連続の1点差と接戦を演じながら、勝てない。さらにマルテが右足コンディション不良で3日に出場選手登録を外れることが決定。不動の3番打者が離脱し、戦況は厳しさを増すばかりだ。

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勝てない時は運にも見放されるのか。9回に糸井の適時打で1点差に迫り、なお1死二、三塁。同点、逆転を信じた左翼席の虎党のメガホンをたたく音が大きく響き、4番佐藤輝の背中を押した。だが、巨人の新守護神・大勢の内角高め直球に詰まり、力ない遊撃へのハーフライナーに。ギャンブルスタートで飛び出していた三塁走者近本が戻れず、まさかの併殺で8連敗。頭から飛び込んだ近本はしばらく起き上がれず、佐藤輝は両手で頭を抱えた。

矢野監督は「そりゃあもう…勝たないとダメなんで。もちろんギャンブルでいっている。こっちの責任で近本は悪くない」と作戦通りだと明かした。この日も序盤から巨人の1発攻勢を浴びた。7回佐藤輝の右翼フェンス直撃の二塁打も、あと数十センチで今季1号になる惜しい当たりだった。5安打で勝った巨人の倍、10安打を放つも3戦連続で1点差で敗れた。

不動の「3番一塁」だったマルテが右足コンディション不良で、ベンチ外。矢野監督は「抹消する。期間は空けないと」と3日に出場選手登録を抹消することを明言。前日1日の5回の守りからベンチに下がっていた。ここまで7試合で打率1割5分4厘、本塁打と打点がなくても、昨季22本塁打、71打点のチャンスに強い助っ人の離脱は痛手だ。代わりに日立製作所からドラフト6位で入団した新人豊田を昇格させる。

開幕から9日で、いまだ12球団で唯一白星がないまま。セでは43年ぶりでリーグ最多タイの8連敗。ただ、79年ヤクルトは1分けを挟んでおり、8戦8連敗はセで初。敵地東京ドームでの「大阪タイガース」復刻ユニホームは3日が最後。1936年(昭11)の「洲崎の決戦」では1勝2敗だった。宿敵に一矢報いて連敗を止め、5日からの甲子園へ帰りたい。【石橋隆雄】

 

▼阪神が開幕8連敗。開幕連敗の最長記録は55年トンボ(消滅)と79年西武(2分け挟む)の12連敗だが、セ・リーグでは79年のヤクルトに並ぶワースト記録。同年のヤクルトは1分けを挟んでおり、開幕8戦8敗は02年のロッテが11連敗して以来20年ぶり。セ・リーグでは初めてだ。阪神の過去最大差逆転Vは、64年の6・5ゲーム差。この日の敗戦で首位巨人と7差となり、デッドラインを越えた。