18日に支配下選手登録を勝ち取った高卒3年目の持丸泰輝捕手(20)が21日にも1軍に初昇格する。20日、マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加。22日か23日に先発起用される可能性があり、育成出身捕手がプロ初出場初スタメンマスクとなればNPB史上初。大抜てきで、チームの重苦しい雰囲気打破を狙う。

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支配下登録された持丸が背番号123の練習着で本拠地に現れた。マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加。新背番号は「95」と発表されたが、練習着までは間に合わなかった模様。「試合用のユニホームは間に合って、着ました。慣れない部分がありますけど」。2桁になった背番号はまだなじんでいないが、大抜てきの可能性が浮上した。

21日にもプロ初の1軍昇格を果たす。倉バッテリーコーチは「ファームでも試合をつくる捕手として報告も来ている。支配下になったので1回、使ってみたい。見てみたい」と大きな期待を寄せる。さらに「(阪神)2戦目にいくか、3戦目にいくか分からないが、どこかで行きたい」と続け、スタメンマスク起用を示唆。プロ初出場が初スタメンマスクなら球団では12年10月の磯村以来。さらに育成出身捕手が初出場初スタメンマスクとなればNPB史上初の記録となる。持丸も「先発と言われたら頑張りたい」と鼻息は荒い。

準備は着々と整えている。この日はブルペンに入り、遠藤、アンダーソン両投手の投球を受けた。「受けていて気持ちが高ぶる部分もあった。楽しさも湧き出てきた」。ローテーション投手の球を受け、早くも心を躍らせた。「今まで教わってきたことを全部出すだけ。それ以上のことは出せない。今できることを精いっぱいやりたい」。初の1軍昇格を目前に控えても、落ち着き払っていた。

チームはBクラスに転落し、今季ワーストの5連敗と苦しい時期を迎えている。若手の新たな力で、重い空気を断ちたい。育成出身の高卒3年目捕手が新たな風を吹かせる。【前山慎治】

◆持丸泰輝(もちまる・たいき)2001年(平13)10月26日、北海道旭川市生まれ。旭川西小2年時に永山西クラブで野球を初め、永山中では軟式で4番投手。旭川大高1年春からベンチ入り。甲子園は2年夏と3年夏の2度出場。19年育成ドラフト1位で広島入団。育成選手時は背番号「123」。18日に契約金1000万円、年俸450万円(いずれも推定)で支配下選手契約を結び、新背番号は「95」。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。

◆広島の捕手事情 20日時点では会沢、坂倉、中村奨の3選手が1軍ベンチに入っている。今季67試合で先発マスクは会沢が最多の35試合で坂倉16試合、磯村10試合、石原3試合、中村奨3試合。正捕手の会沢に続く、「2番手」の捕手は不在。坂倉は、三塁での先発が主で、6月4日を最後にスタメンマスクがない。チーム許盗塁数44はリーグ最多で盗塁阻止数6はリーグ最少。持丸は刺せる捕手としてスローイングを評価されている。

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