「鷹の祭典」は、「鷹の災難」から始まった。ソフトバンクの恒例イベントが今季初戦を迎えたが、ロッテに完敗。前日26日に和田ら計5人が新型コロナウイルス陽性の疑いとなったが、この日、さらに増えて大量8人が陽性判定を受けた。緊急で大幅なメンバー変更を強いられ、苦戦となった。

コロナ禍に追い打ちをかけるように、主砲・柳田が欠場。藤本監督は「この間、こけたところでね。首が痛い、肩が痛いということでね。今日はベンチで休憩でしたね。明日も治療するけど、明後日どうなるかは見当は付きません」と説明。26日日本ハム戦の9回の守備で転倒した影響だった。柳田は左肩痛からの復帰後は3番で出場を続けていたが、47試合ぶりに出場なし。迫力を欠いた打線は、ちぐはぐな攻撃となった。

3回2死一、二塁の好機では、柳田に代わって3番に入った今宮が凡退。4回には左飛で二塁走者の牧原大が飛び出し、併殺となるミスもあった。8回に周東の適時打で1点を返したが、なおも1死満塁で今宮が併殺打。投手陣も8点を奪われ、なすすべなし。藤本監督は「まあ、反省点はいっぱいありますよ。そこは個人個人が反省して、次にやらないようにするだけですね」と、淡々と話した。

「鷹の祭典」の東京ドームでの開催は、3年ぶり。今季ホームゲーム最多となる4万人超のファンがスタンドを白く染めた。孫正義オーナーも観戦に訪れたが、勝利を届けられなかった。【山本大地】

○…チームのコロナ禍で緊急昇格した野村大が、得点シーンの起点を作った。8回、先頭の真砂の代打で登場。ロッテ・ゲレーロの直球を中前に運び、今季初安打を放った。その後の1死満塁機を呼び込み、周東が左前適時打。早実出身の高卒4年目が反撃ムードを生んだが「『もっと勝利に貢献できるように頑張っていかなければいけない』と強く思った1日になりました」と試合後に笑顔はなかった。

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