さあ、才木に続け! 2軍調整を続けていた阪神藤浪晋太郎投手(28)、ドラフト3位の桐敷拓馬投手(23)が4日、甲子園投手指名練習で1軍に合流した。藤浪は6日、桐敷は7日、開幕から9連敗中(2分けを含む)の広島戦に先発する。前日3日の中日戦では右肘手術明けの才木浩人投手(23)が1159日ぶりの復活星をゲット。逆襲を期す男たちの底力に再び期待がかかる。

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藤浪は小雨に身をぬらしながら、黙々とダッシュを繰り返した。満を持しての1軍先発。相手が今季9連敗中の広島打線だろうが、必要以上の気負いはない。

藤浪 チームが広島に勝っていないことは、あまり個人的に気にするところではない。そういう余裕はない。カープの一番嫌らしいところはつながり。余計な走者を出してチョコチョコされないようにしたい。

今季は青柳の代役で開幕投手を任された後、新型コロナウイルス感染で4月中旬に出場選手登録を抹消された。中継ぎで1軍5試合6イニングを無失点と結果を出して、再び2軍で先発再調整。約3カ月ぶりの1軍先発マウンドとなる6日広島戦に向け、気持ちが入らないわけがない。

前日3日の中日戦では右肘手術を乗り越えた才木が1159日ぶりの復活星を手にした。何年も練習を共にしてきた後輩の復活は、何よりのエネルギー源に違いない。「リハビリを頑張っていたのも知っている。刺激というより、良かったなという気持ちが大きいです」。次は先輩の番だ。

この日はドラフト3位桐敷も1軍投手指名練習に合流した。藤浪の翌日、7日広島戦でプロ3度目の1軍先発が見込まれる。2軍では7試合登板で防御率1・18。今度こそプロ初勝利をもぎ取りたいところだ。

最後の1軍マウンドは2回2失点で降板した4月14日中日戦。「抹消された直後は(1軍戦を)見たくないというか、悔しさが多かった。サヨナラ勝ちの時とかは自分も喜びを感じたいなと思っていました」。

2軍では有酸素運動やランニングに精を出し、「体をきれいにコマのように回す」スタイルでボールのキレにこだわってきた。準備は万全。あふれ出る感情を思う存分、左腕に込める。

相手は天敵となりつつあるカープ。だからこそ、目をギラつかせる2人の底力にかかる期待は大きい。

藤浪 まずは1試合、自分のいいモノを見せて、また使いたいと思ってもらえるようなピッチングができればと思っています。

虎の秘密兵器は、才木だけではない。【佐井陽介】