日本ハムのドラフト1位日体大・矢沢宏太投手兼外野手(22)が、来季の新球場「エスコンフィールド北海道」での開幕戦で1番右翼でチーム初安打を狙う。

26日に札幌市内で行われた新入団選手発表会見に出席。新庄監督から野手での希望ポジションを聞かれ「1番右翼」と迷いなく答えた。新球場で先頭打者として立ち、歴史的な試合で節目の安打を刻む。

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新球場で日本ハム史上最初のHランプをともすのは矢沢だ。新入団の晴れの会見。同席した新庄監督から「野手はどこを守りたいか、何番を打ちたいかを、はっきりこの場で教えて」と求められると、「1番右翼」と言った。とっさに出た答えではない。明確なイメージがある。

「(来季は)新球場になる。ファイターズとして最初に打席に立ちたい。そこで1本目のヒットを打ちたい」。23年3月30日。開幕戦楽天戦でエスコンフィールド北海道の歴史が幕を開ける。その一戦で、チーム初安打を打って名を残す。だから新庄監督に「投手はやりたくないの?」と言われても、思いは揺らがない。「開幕投手はもう(加藤貴に)決まっているので。開幕戦に出るとするならば野手としてやっていきたい」と冷静に語った。

発表された背番号は12。大渕GM補佐兼スカウト部長から「1人2役の12。大谷翔平のその先をいく12」と紹介された。矢沢は「そういう思いが込められていると知って頑張ろうと思った」と気を引き締めた。12番は今季、パ・リーグの首位打者とベストナインに選出された松本剛が着けてきた番号。「首位打者を取った方の背番号なので光栄。僕も12番で首位打者を取りたい」とプロの高みを見据えた。

投手、打者、走者で活躍し、二刀流ならぬ「矢沢流」として球界の新たな歴史を刻む。投手としては150キロ超えの直球を投げ、打者としては巧みなバットコントロールと逆方向に本塁打を放つ長打力を併せ持つ。走っては50メートル5秒台の俊足だ。「自分のアピールポイントはスピード。投げること、スイング、走ること。スピード感のあるプレーをしたいと思います」。誰よりも速く-。1番打者での初安打への思いには、矢沢の信条が詰まっている。【石井翔太】

 

○…2位金村は背番号24を自分色に染める。今季まで野村がつけていた番号を受け継いだ。「24は野手のイメージがあるので、これからは投手と言われるようにしていければ」。特長は制球力の高さ。大渕GM補佐兼スカウト部長調べでは、大学4年間の通算与四球率が0・98。1試合平均で四球1個未満というコントロールを武器に「開幕1軍はもちろん、1年を通して1軍で戦える選手に」と新たな24番像を1年目から示す。

 

○…4位安西 今季の開幕投手を務めた「教授」こと北山に続いて新たな“先生”が入団する。最速150キロを誇る186センチの大型サイド右腕の特技はバスケットボールで「リバウンドなら誰にも負けません」。安西+バスケ=スラムダンクの印象から「“安西先生”と呼ばれることもあった。そこから有名になっていくのもあり」とアピールした。目標は高く「開幕1軍」。1年目から新庄監督を始め、首脳陣やファンの心もがっちりつかむ。