巨人が連敗を5で止めた。リードオフマンのオコエ瑠偉外野手(25)が、“超・積極的打法”で3安打2打点の5年ぶり猛打賞で打線を引っ張った。先発の戸郷翔征投手(23)が“超・高低差投法”で7回3安打無失点、2勝目をマーク。今季初の「伝統の一戦」は先制、中押し、ダメ押しで畳みかけて快勝した。

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オコエは超イケイケに振りまくった。5打席のうち、ストライクの5球はひとつも見逃さない。全部にバットを出した。1回は1ボールからの2球目を左前打。3回は1球ファウルでカウント3-1から右中間フェンス直撃の二塁打。そして7回2死満塁では、1球ファウル後の2球目を詰まりながら右前に落とし、貴重な2点の追加点を生み出した。楽天時代の18年9月15日ロッテ戦以来となる猛打賞。「間違いなくいい方向に進んでいる。短期間にならないように継続していければ」とうなずいた。

4打数無安打だった開幕戦の教訓があった。この日と同じ1番での出場。1点を追う8回、中日小笠原に見逃し三振を喫した。2ボールと打者有利のカウントからストライク2球を見逃した。1球ファウルの後、最後はバットが出なかった。ストライク3球を見逃した姿勢に、坂本から「最後の打席、見にいくぐらいでいったろ」と指摘された。図星だった。「フォアボールが欲しかったというのもあったんです」と説明すると、続けられた。「フォアボールを取れるバッターは打ってナンボ。まず打たないと始まらない」。慎重になりすぎていた姿勢を悔いた。その反省を生かした。

髪も短くなっていた。実は「もみ上げをそろうとして、このまま上までいっちゃった」とバリカン操作も勢いありすぎてミスしてしまったが、バットは狙い通りになった。強気のオコエが巨人をアゲアゲ軌道に押し上げる。【上田悠太】

▼巨人大城卓(8回1死二塁、阪神浜地から今季1号2ラン)「いい流れで打席が回ってきたので、落ち着いて打席に入れました。入ってくれて良かったです」

▼巨人梶谷(1回1死三塁から左前へ先制適時打)「チャンスだったので積極的にいこうと思って打席に入った。カウントが3ボールだったが、狙い球を思い切って打ちにいけた」