野球好き歌手の河野万里奈が新曲「ドラフト」を発表した。5月21日の誕生日に東京・渋谷で行われる「誕生日&デビュー記念ライブ」で生バンドをバックに披露する予定。
すでにYou Tubeで公開されているが、148センチの小柄な体から発するボイスはキレッキレ。2018年3月に歌手の命とも言える喉を手術した。野球に例えるなら「トミー・ジョン手術」。同手術を受けると球速がアップする投手がいると言われるが、河野もまた「キレは絶対増しました! 表現力も幅が広がりました!」と言う。
新曲は河野自身が作詞、作曲した。曲のコンセプトは「ハズレだった僕らがアタリに変わるための歌」。
河野は「あなたの人生を、もしくはあなたの推し選手の野球人生を、重ねて聴いて何かが心に届いたなら嬉しいです。私はあなたの大切な人生の登場曲になるような歌をうたいたいのです」とファンにメッセージを送る。
野球ファンなら「ドラフト」と聞けばプロ野球の「ドラフト会議」を思い浮かべるだろう。歌詞にはドラフトを前にした選手の心境や、指名されなかった者、指名されたものの不本意な順位(評価)だった選手の心情が込められている。
選ばれて選ばれなくて
ため息を大歓声に
ハズレをアタリに変えていく
答えは今じゃない
いつかわかるさ
「ハズレ」で連想するのは「ハズレ1位」。ドラフト会議で1位指名が重複すれば抽選に。クジを外した球団は再び選手を指名する。そこでも重複すればさらにクジを引く。巨人坂本勇人内野手は「ハズレ1位」、ヤクルト山田哲人内野手は「ハズレハズレ1位」だった。まさに「ハズレをアタリに変えていく」「答えは今じゃない」「いつかわかるさ」。
河野はライナーノーツにこうも記した。
「ドラフト」は「下書き」という意味。
「ドラフト会議」は「新入団選手を選ぶ場」。
選ばれなかった選手、歓迎されなかった選手の表情が忘れられなくて作りました。
作詞する際にバーっとメモを書くのですが、その中には阪神大山選手、元ヤクルト楽天由規投手、名城大野口選手のお名前もあります。
受験、就活、恋愛、対人関係、誰しも選考を受ける立場になったことはあるはず。
そしてどうしようもなく打ちひしがれたことも。
そんな人生においても、野球のドラフトでも、これはハズレだった人がアタリになるための曲。
あくまでもスタート。
何度でも上書きできる。
心が燃えるなら。
そういう曲です。
曲のラストにはこんな歌詞がある。
名前は呼ばれない
そんな今日でも
そう何度も上書きできる
何歳だろうと遅くはない
完成したならそばで笑ってよ
答えは今じゃない
いつか見せるさ
ミスタープロ野球こと長嶋茂雄さんは「野球とは人生そのものである」と言った。
河野万里奈の歌もまた「人生そのものである」。【デジタル編集部 福田豊】
<お知らせ>
「河野万里奈 誕生日&デビュー12周年ライブ 開幕」
▽日程
2023年5月21日(日)
開場18:00 開演18:30
▽会場
GARRET udagawa
東京都渋谷区宇田川町13の16
▽チケット販売情報
4月22日21:00~一般発売開始
https://t.livepocket.jp/e/dzwrq
※受付日時
4月22日21:00~5月20日23:59
◆河野万里奈(かわの・まりな) 5月21日生まれ、福岡県春日市出身。筑紫丘高-関西学院大。物心がついた頃から、夏休みは兵庫・尼崎市の祖母宅に行き、家族で甲子園球場に通って野球好きに。応援している高校球児が各球団に散らばるため、全ての球団に推し選手がいる。10年に「第4回アニソングランプリ」で優勝。11年にテレビアニメ「A チャンネル」OPテーマ『Morning Arch』でデビュー。19年5月にシングル『真人間入門』で再メジャーデビュー。カップリング曲『アイキャントライ』が、阪神岩崎優投手の登場曲に使用された。特技はスライディング。148センチ、右投げ右打ち。